100分de名著『中原中也』第2回「『愛』と『喪失』のしらべ」1

知识 視聴説 第23期 2018-11-11 创建 播放:35

介绍: 【ナレーター】夭 よう折 せつ の詩人中原中也。16 歳の中也が故 こ
郷 きょう
を離れ、京都で一人、詩人を目指して必死にもが
いていた(挣扎,焦躁)時、関東大 だい
震 しん
災 さい が起こります。帝 てい 都 と (皇居の ある都)東京ばかりでなく、国中が揺れ動き、中也 の運命もまた大きく㋐変貌しようとしていました。女優志望の...

介绍: 【ナレーター】夭 よう折 せつ の詩人中原中也。16 歳の中也が故 こ
郷 きょう
を離れ、京都で一人、詩人を目指して必死にもが
いていた(挣扎,焦躁)時、関東大 だい
震 しん
災 さい が起こります。帝 てい 都 と (皇居の ある都)東京ばかりでなく、国中が揺れ動き、中也 の運命もまた大きく㋐変貌しようとしていました。女優志望の年上の女性との出会い、そして別れ。そ こには大切な友人が関わっていました。 【森山】「私の 聖母 サンタマリア (イエス・キ リストの母)! とにかく私は血を吐いた……。お前が情け(男女の愛 情、恋情)を受けてくれないので、 とにかく私は参ってしまった(受不了,吃不消)……。」 【ナレーター】自らを喪失するような挫 ざ 折 せつ 感の中で、決定的な詩人になっていく中也。中也の恋と喪失の軌 き 跡 せき (轨迹,足迹)を読み解いていきます。

【磯野】100 分de 名著、司会の磯 いそ 野 の 佑 ゆう 子 こ です。 【伊集院】伊 い 集 じゅう 院 いん 光 ひかる です。 【磯野】前回は故 ふる 郷 さと を離れた中也が、京都で寂しさと戦いながら、ダダイズムという新しい芸術運動と出会 うというところまででしたね。 【伊集院】三十年ほどしかない人生をものすごいスピードで駆 か け抜 ぬ けているので、そのダダイズムすらもす ぐにこう、追い抜いていくような凄 すご み、もなんか感じましたね。 【磯野】ええ、ええ。今日は中也の青春時代、いろんなことが起こりますので、お楽しみに。 【伊集院】はい、はい。 【磯野】指南役をご紹介しましょう。作家の太 おお 田 た 治 はる 子 こ さんです。宜しくお願いします。 【太田】宜しくお願いいたします。 【伊集院】宜しくお願いいたします。 【磯野】中也が京都に移り住んだのが大 たい 正 しょう 十二年。あの、この年というのは関東大震災が起こった年だった んですよね。 【太田】大変な年でしたね。Ⓐ 、
と思うんです。小説家の谷 たに 崎 ざき 潤 じゅん 一 いち 郎 ろう (耽美派の小説家。「痴 人の愛」「細雪」など)さんも、もう、すぐに関西へ移住され ましたしね。新聞社なども一 いっ 斉 せい に関西に機能を移したと……。 【磯野】そんな中、中也に一つの出会いが訪れます。

【ナレーター】10 万人以上の死者と135 万人の罹 り 災 さい
者 しゃ (遭受灾害的人)を出した関東大震災。東京の二分の一が 消失するほどの㋑惨状でした。多くの人が関西に避難する中、一人の女優を志す女性も罹災者として京 都へやって来ます。大正十二年冬、京都。一人暮らしを始めて間もない中也は、ある劇団の稽 けい 古 こ 場 ば (练习 的场所)を訪ねます。そこにいたのが、女優の㋒卵だった長 は 谷 せ 川 がわ 泰 やす 子 こ でした。中也が自分の書いたダダイ ズムの詩を見せると……。「面白いじゃないの。」彼女もまた、新しい芸術に敏感な若者でした。二人は 意気投合(意气相投)し、急速に親しくなります。劇団がつぶれ(倒闭,垮台)、泰子が行き場を失った時、中 也は僕の下宿においでと声を掛けます(叫上她,邀她)。16歳と 19 歳、二人の同 どう 棲 せい (姘居)生活が始まりまし た。……「私の方が年上だけど、中原は兄のようにも父親のようにもふるまい、詩ができるとすぐ見せ てくれました。中原がそれを読むのを聞いて、私は涙をボロボロ流して(扑簌扑簌地两眼落下泪来)、泣いた時
100 分 de 名著『中原中也』第2回「『愛』と『喪失』のしらべ」1 2ページ

もありました。」 【森山】時こそ今は花は香 こう 炉 ろ にうち薫 くん じ、 そこはかとない(说不出地方地,难以形容地)けはいです。 しおだる(往下滴水)花や水の音 ね や、 家 いえ 路 じ (归途)を急ぐ人々や。 いかに(喂,欸)泰子、 今こそは静かに一緒に、おりましょう。 遠くの空を、飛ぶ鳥も、 いたいけな(令人怜爱)情け、満ちてます。 【ナレーター】大正十四年春、中也は詩人としての成功を求めて上京します。その 傍 かたわ らには、女優への夢を 抱 かか えた泰子がいました。

【伊集院】うん。これまたその、結果を知ってるものから言えば、ⓐ急いで経験すべくして経験した恋愛だ なという感じが、僕はちょっとしました。 【磯野】とても早熟な少年だったんですね。 【太田】大変早熟ですよね。だって、Ⓑ 。 そういう人が年上の大学生に交じって、詩を書いて、ダダさんと呼ばれて、だからこの、時代のこうい う転換期のスピード感ということをも感じる一方で、彼自身がもうすごいスピードでね、あの、走り続 けてる、生き急ぐ(限りある命を急いで終えよ うとするかのように生きる)人だったように感じますね。 【伊集院】気持ちがすごくわかるのはね、その、故郷を後にして、その、実年齢としてはまだまだ幼くて、 で、孤独感もある中にね、東京から来た、三歳も上の女優の卵が、自分のその詩をいいって言ってくれ たことだけで、その、ワクワクする(心里怦怦地跳,欢欣雀跃)中原中也の……、これ言い方合ってるかどうか 分かんないけど、ちょっと可愛らしくもある。 【磯野】嬉しかったんでしょうね、褒 ほ められてね。 【伊集院】いや、嬉しかったんだと思う。単純に嬉しかったと思う。 【磯野】彼女はですね、こちら、ほんとにこう、凛 りん とした……。 【伊集院】大人っぽいね。 【磯野】あの、美人なんですけども……。 【伊集院】中也も中也で(中也のことを 強調した表現)、まぁ、 男 おとこ 前 まえ (帅哥)ですねえ。 【太田】銀座の高級写真館で撮ったそうですよ。あの、㋓精いっぱいお帽子かぶって、マント(斗篷)着て、 日本のランボーのつもりで……。フランスの詩人のランボーを大好きでしたので、ランボーになった気 持ちで……。役者ですよね。 【伊集院】なんかやっぱそれだけ、何ものかになりたいっていう意識の、その、強い人だったんだろうなっ ていう……。 【磯野】さあ、上京した二人がこの後どうなったのか、ご覧ください。

【ナレーター】強烈な自我を発散させていた、上京直後の中也。まもなく友人を介して(经朋友介绍)、後に批評 家となる小林秀雄と知り合います。小林は中也より5歳年上で、秀才の呼び声(呼声)高い東大生。…… 「私はNに対して、初対面の時から魅力と嫌 けん 悪 お とを同時に感じた。Nはダダイスト風な、私と正反対の 虚無を持っていた。彼は自分でそれを、ⓑ早熟の不潔さなのだと説明した。」……Ⓒ 、
。中也と違う、都会的な優しさを持った小林に、泰 子もまた惹かれてゆきました。やがて泰子と小林は、中也に内緒で(私下)二人きりで会うようになり、
100 分 de 名著『中原中也』第2回「『愛』と『喪失』のしらべ」1 3ページ

11月のある日、ついに泰子は小林の下 もと へ行くことを決意を固めるのです。……「私は小林さんとこ行く わ。」……①中也はその後、泰子の荷物を抱えて小林の家 うち まで運んでやったといいます。 【森山】私はほんとに馬鹿だったのかもしれない。私の女を私から奪 だつ 略 りゃく した男の所へ、女が行くという日、 車に載せがたい㋔割れ物の女一人で持ちきれない分を、私の 敵 かたき の男が借りて待っている家まで、届け てやったりした。 【ナレーター】Ⓓ 。 【森山】私は大東京の真ん中で一人にされた! 俺は、棄てられたのだ! 私は女に逃げられるや(女に逃げられる とすぐに、の意)、 その後一日一日と日が経てば経つほど、私はただもう口 く 惜 や しくなるのだった。とにかくⓒ私は自己を失 った! 私はただもう口惜しかった。私は「口惜しき人」であった。

【伊集院】うーん。なんかこの、初めて付き合った人と別れた悔 くや しさの表現すらも、ちょっと詩というかね、 共感させちゃう力を持ってるのが、もうむしろすごいと思っちゃって。 【磯野】ええ。「私は棄てられたのだ!」……。 【伊集院】ここまでの感受性は持ってないけれども、似たような失恋はみんなしてるので、恐らくこの文章 を自分が高校生のときに読んだら、わかるよってなる気が……。 【磯野】振られて、親友に恋人奪われたわけですよね。もう悔しくて当然ということで、こんな文章を書き ます。「女に逃げられる日まで、私は常に前方を見つめることができていた。私は自己統一あるやつであ ったのだ。私はその当時、宇宙を知っていたのである」とまで言ってるんですね。だけど、泰子さんに 逃げられて、「とにかく私は自己を失った! 私は『口惜しき人』であった」というふうになります。 【太田】まぁ、あの、一番つらかったのは、そのね、自分が自分で分からなくなってしまう、自己を見失っ たその衝撃は、とても大きいものだったんじゃないですか。 【伊集院】僕、そこすごい、男 おとこ 心 ごころ (男子气概)として大事なところで、②彼が「おお、泰子!」ってずっと書 いてんならまた別の話なんです。彼、実はそこじゃないんですよね、その失恋というもののショックに 対して混乱した自分が恥ずかしくて、恥ずかしくてってここに書いてますよね。そこがなんていうのか な、とてもその、中原中也の凄さみたいもの(~みたいなも の、の省略形)を感じる……。新しい、「失恋」っていう自分のし たことのないジャンル(种类,类型)に向かって分析が始まっているというか、あの、心の動きを書き留め (记下来)始めてるっていうか……。 【太田】自分をもう一人の自分が見つめるというね、あの、それができる人ですよね。だから、Ⓔ 、
。 【伊集院】猛烈なスピードでね、その㋕得体のしれない無力感をここで昇華(提高,升华)し始めてるっていう か……。だってあの、「私は自己統一あるやつであったのだ。私はその当時、宇宙を知っていたのである」 っていう……。 【太田】そこまで言うかっていう感じですよね。 【伊集院】ビシッと(厳しいさま、整って いてすきがないさま)くるという表現をもうここでやってるじゃないですか。 【太田】そうそう。 【伊集院】詩的表現にもなってるっていうか……。 【磯野】そうですね。別れた後なんですけれども、たびたび中也は泰子のことを詩に詠 よ みます。その中から 『盲 もう 目 もく の秋』という作品をお聞きください。
(横山先生に感謝です。)

  • 音乐开放平台
  • 云村交易所
  • X StudioAI歌手
  • 用户认证
  • AI 免费写歌
  • 云推歌
  • 赞赏

廉正举报 不良信息举报邮箱: 51jubao@service.netease.com

互联网宗教信息服务许可证:浙(2022)0000120 增值电信业务经营许可证:浙B2-20150198 粤B2-20090191-18  浙ICP备15006616号-4  工业和信息化部备案管理系统网站

网易公司版权所有©1997-2025杭州乐读科技有限公司运营:浙网文[2024] 0900-042号 浙公网安备 33010802013307号 算法服务公示信息