介绍: 【ナレーター】喪 そう
失 しつ
感 かん の中で詩を書き続けた詩人、中原中也。 【森山】「ゆあーん、ゆよーん。ゆやゆよん。野外は真っ暗、くらのくら。夜はごうごうと更 ふ けまする……。」 【ナレーター】誰もが自分の感情を託 たく したくなる悲しみや寂しさの折り込まれた(夹入)歌の数々。第3回は 中也の詩に隠された秘密を、...
介绍: 【ナレーター】喪 そう
失 しつ
感 かん の中で詩を書き続けた詩人、中原中也。 【森山】「ゆあーん、ゆよーん。ゆやゆよん。野外は真っ暗、くらのくら。夜はごうごうと更 ふ けまする……。」 【ナレーター】誰もが自分の感情を託 たく したくなる悲しみや寂しさの折り込まれた(夹入)歌の数々。第3回は 中也の詩に隠された秘密を、ゲスト(嘉宾)を交 まじ えて読み解いていきます。
【磯野】100 分de 名著、司会の磯野佑子です。 【伊集院】伊集院光です。 【磯野】前回は、中也が恋をして、さらに失恋を経験する中で生まれた詩について読み解いてきました。 【伊集院】その天才的な、才能の 塊 かたまり みたい人の、結果的にはごく短かった人生の中で、一つの恋愛ってい うのがもうすごいこう……、本人は辛 つら かったと思うんですよ、本人は辛かったと思うんですけど、また こう、詩に力を与えてる、詩に㋐バリエーションを与えてるっていうか……。 【磯野】はい。まっ、今日もその、中也の人生と絡 から めて(联系)、読み解いていきましょう。指南役は作家の太 田治子さんです。今回も宜しくお願いいたします。 【太田】宜しくお願いいたします。 【伊集院】宜しくお願いします。 【磯野】今日のテーマは「悲しみ」と「さみしさ」。これまで読んできただけでも、中也のさみしさを詠んだ 詩というのはとても響いてきましたよね。 【太田】はい。胸にね、こうしーんと沁 し みてきますね。 【伊集院】別に中也自体は、俺 おれ 、悲しい悲しいと言ってるわけでもないんですよね。でもその、Ⓐ 、
、引っ張り出さ れちゃうっていうか……。 【太田】揺り動かされる。今までね、こうちょっと通り過ぎていった悲しみが急にふつふつと(ある感情が強く 沸き起こるさま) 蘇 よみがえ ってくると……。 【磯野】それでは、森山未来さんによる朗読でお聞きください。
【ナレーター】中也が東京に出て、5年が経とうとしていました。その 間 あいだ
、大学の予 よ 科 か (旧制大学の、学部入学のための前段 階となる旧制高等学校に準じる課程) に入学するも、半年で退学。相変わらず何ものでもなかった中也は、Ⓑ 、
。思うようにならない日々の中、中也は自らの人生を振り返ります。 【森山】幼年時 私の上に降る雪は 真 ま 綿 わた (丝绵)のようでありました 少年時 私の上に降る雪は 霙 みぞれ (雨夹雪)のようでありました 十七――十九 私の上に降る雪は 霰 あられ (雹子)のように散りました 二十――二十二 私の上に降る雪は 雹 ひょう (冰雹)であるかと思われた 二十三 私の上に降る雪は ひどい吹雪 ふぶき (暴风雪)と見えました 二十四 私の上に降る雪は いとしめやか(淅沥,寂静)になりました…… 「生い立ちの歌」
【伊集院】雪って何だとか、悲しみって何だみたいなところを上手にこう、振り回される感じのする……。 【磯野】ええ、ええ。
100 分 de 名著『中原中也』第3回「『悲しみ』と『さみしさ』をつむぐ」1 2ページ
【太田】雨と違って、雪にね、託すことによって、その、思いが通り過ぎていかないという……。だから、 Ⓒ 、。 【磯野】振り返りながら見て行きましょうか。幼年時は、真綿のようで、ということで……。 【太田】中也さん、待 たい 望 ぼう (期望)の、あの、男の子でしたので、お父さん、お母さんに大切に大切に育てられ て、やっぱり真綿にくるまれるように幸せだったっていうことだったと思いますね。で、それが少年時 になって、あの、 霙 みぞれ になり、 霰 あられ になり、 雹 ひょう になり、吹雪 ふぶき にね、どんどんひどくなっていって……。 【伊集院】霙や霰あたりは、ほんとに自分が浴 あ びてる辛さのことがすごく㋑クローズアップされるんだけど、 二十四、急に「この雪はしめやかである」っていう、なんか急に達 たっ 観 かん (看清,达观)すると……、自分の悲 しみみたい……。依 い 然 ぜん として雪だから冷たいんだけど、寂しいんだけど、寒いんだけど、でも、ちょっ と達観してるかなっていう……。 【太田】数え(虚岁)の二十三でも、あまりにもいろんなことを彼は経験し過ぎましたよね。絶望の果てに、 こういう自分の悲しみも達観できるようになったんでしょうね。 【磯野】あの、こちらの「生 お い立ちの歌」っていうのは、同人誌、こちらなんですが、『白 しろ 痴 ち 群 ぐん 』に発表され ました。仲間たち九人と創刊した同人誌なんですが、ほとんどが中也一人で書いていたそうなんですよ。
【ナレーター】昭和四年、九人の仲間と発刊した『白痴群』。Ⓓ 、 。しかし、わずか一年後、廃 はい
刊 かん となります。
【太田】最後の時には、もうほんとに中也さん、とてもショック。みんなが去っていくっていうことが、寂 しかったと思いますね。 【伊集院】あっ、みんな去っていった。 【太田】去っていった。例えば大岡さんは京都の大学に行きましたし、その他の友人も……。結局、中也さ んはね、あの、人を大好きすぎて、㋒人恋しくて、人懐 ひとなつ っこくて(容易和人亲近)、だからもう、好きとなる と毎日㋓おしかけるんです、お家 うち に。それはお友達にしてみればね(在朋友看来)、あの、いくら中也さん の詩を敬愛していても、嫌 いや ですよね。毎日毎日……。でもそこにあの、中也は、ほんとに全 ぜん 身 しん 全 ぜん
霊 れい 、心 を傾けて、そこに詩を発表するっていうことをすごく考えていたわけですから、それがもう廃刊になり ましたと。他の人はいいでしょうけれども、彼にとってはもう大変なショックで、寂しくて……。 【伊集院】なんかやっぱり、過 か 剰 じょう な人なんですね。ほんとに、あの、①才能から何から何まで、やっぱり過 剰な人なんだね。 【磯野】お話聞いてると、泰 やす 子 こ との別れから仲間に離れられていったり、辛い時機が続いてますね。 【太田】ご自身、そのことをね、後年、②雌 し 伏 ふく の時と言ってた。だから、じっとこう我慢の時だったんじゃ ないんですか。だから、まあ、東京で、ほんとに満 まん 身 しん 創 そう 痍 い (满身创伤)になっていたっていう、そういう中 也がね、浮かんできますよね。 【磯野】実はですね、今回、中也の詩を読み解くために、もうお一方、ゲストをお呼びしています。歌人の 穂 ほ 村 むら 弘 ひろし さんです。 【伊集院・磯野】宜しくお願いします。
【ナレーター】現代を代表する歌人であり、詩作も手 て 掛 が ける(亲自做,着手)穂村弘さん。中也の詩の極端な純 度の高さに作り手として興味を持って来ました。
100 分 de 名著『中原中也』第3回「『悲しみ』と『さみしさ』をつむぐ」1 3ページ
【磯野】穂村さんから見て、中原中也はどんな詩人ですか。 【穂村】Ⓔ 、小 こ 柄 がら (身材短小)で、目がきれいで、 早熟の天才で、なんか生き急ぐように破滅的に生きて、早く死んでしまって、で、生きてる時、迷惑か けられた友人たちが、彼が死んだ後は、すごい奴 やつ だったとか言って褒めるっていう、そんな詩人のイメ ージって、なんかあるような気がして、それってでも、中也だよねって思いますね。 【磯野】じゃあもう、「The 詩人」……。 【穂村】なんか僕の中では、そんなイメージがあります。そして、後 こう 年 ねん の我々からすると、なんか歌 か 謡 よう 曲 きょく のサビ(大衆音楽で、楽曲 の聞かせ所をいう)のフレーズ(小段,句子)みたいだなって思うような、すごい忘れられないフレーズとか ね、㋔殺し文句みたいなものが必ず彼の詩には出てくる。
〈月夜の浜辺〉
【森山】月夜の晩に、ボタン(扣子)が一つ 波 なみ 打 う ち際 ぎわ (水边,海滩)に、落ちていた。 それを拾って、役立てよう(使~有用)と 僕は思ったわけでもないが なぜだかそれを捨てるに忍 しの びず(不忍) 僕はそれを、 袂 たもと (和服的袖子)に入れた。 月夜の晩に、ボタンが一つ 波打ち際に、落ちていた。 それを拾って、役立てようと 僕は思ったわけでもないが 袂 月に向かってそれは抛 ほう れず 浪に向かってそれは抛れず 僕はそれを、袂に入れた。 月夜の晩に、拾ったボタンは 指先に沁み、心に沁みた。 月夜の晩に、拾ったボタンは どうしてそれが、捨てられようか?
【伊集院】朗読を担当されてる森山未来さんに、こう共鳴してる(森山さんが中也の詩に共 鳴している、という意味)のがすごくよくわかるってい うか、やっぱり演じ手(演员)として中原中也に刺激されてるんだと思うんですね。 【磯野】ええ。これは穂村さんのお好きな詩ということですが……。 【穂村】はい、いい詩ですね。 【磯野】どんなところがお好きですか。 【穂村】ボタンって、洋服にないと役に立たないですよね。それがいきなり月夜の海辺に落ちてるって、ボ タンにとってはとても㋕アウェーな状態で、そこにいる限りボタンとしての役割が全然果たせないわけ ですね。だけど、それが逆に不思議な魅力につながっていて、③ここにない、全く孤独な場所に落とさ れたボタンって、宝石とか、月のかけら(碎片)とか、そんな別の存在感を今度は持ち始めるような気が する。 【太田】④やはり誰にでも捨てられないボタンがあるということなんでしょうかね。誰にでもあると思いま すけど、そうすっとじゃあ自分にとってのボタンは何だったのかなっていうふうに、僕として書かれて ることが 私 わたし 事 ごと (「わたくしごと」 と言うのが一般的)として受け取られてくる、それが魅力的ですね。 【伊集院】⑤僕はね、ちょっとお二人とも違う所にいきましてね、どこかにこのボタンを失 な くした人がいる んだということがちょっと面白くて、でまた、これが浜 はま 辺 べ に、波打ち際にあるっていうのもよくできて て……。 【磯野】流れ着いてきた(漂流到)ボタン。 【伊集院】彼の捨てがたいボタンを、もうあきらめてる人がいるのか、僕の中ではちょっと面白いし、ワク ワクするし、とにかく深いですね。「1000 分de 名著」でもいけそう(能搞)です。
【磯野】引き続き、代表作の『サーカス(马戏)』をお聞きください。
(横山先生に感謝です。)
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