介绍: 【ナレーター】 瞳 ひとみ
の奥に不敵な(大胆的,无所畏惧的)光を湛 たた えた(满着,满面)一人の青年。日本の近代文学に大
きな足 そく
跡 せき (业绩)を残した詩人、中原 なかはら
中也 ちゅうや です。中也は三十歳の短い生涯を終えるまでのわずか十五年余
りの間に、350編 ぺん の詩を生み出しました。青春の切なさ(悲痛,...
介绍: 【ナレーター】 瞳 ひとみ
の奥に不敵な(大胆的,无所畏惧的)光を湛 たた えた(满着,满面)一人の青年。日本の近代文学に大
きな足 そく
跡 せき (业绩)を残した詩人、中原 なかはら
中也 ちゅうや です。中也は三十歳の短い生涯を終えるまでのわずか十五年余
りの間に、350編 ぺん の詩を生み出しました。青春の切なさ(悲痛,难过)や人生の悲しみを歌ったその詩は、今 も熱く読み継がれています。 【森山】汚 よご れっちまった(「汚れてしまった」 のくだけた言い方)悲しみに いたいたしくも(心痛)怖気 おじけ づき(害起怕来) 汚れっちまった悲しみに なすところもなく日は暮れる……」 【ナレーター】その短い生涯 しょうがい の中で、詩とは何かを全身で考え続けた中也。 【テレビドラマの人物1】ゆやーん ゆよーん ゆやゆよん……。 【ナレーター】今年2017 年は、中也の生 せい 誕 たん 110 年目の年。それを記念したドラマも放映されます。 【テレビドラマの人物2】さあ、今日の朗読をお願いいたします。 【ナレーター】第1回は、詩人中原中也がどのように誕生したのかを読み解いていきます。
【磯野】100 分de 名著、司会の磯 いそ 野 の 佑 ゆう 子 こ です。 【伊集院】伊 い 集 じゅう 院 いん 光 ひかる です。今年も宜しくお願いします。 【磯野】宜しくお願いします。伊集院さん。今年もどんどんすばらしい名著をご紹介してゆきましょう。 【伊集院】はい。 【磯野】新年一回目の名著は、こちらです。『中原中也詩集』です。名著では初めて詩を取り上げるんですけ れども、中也の詩は読まれたことあります? 【伊集院】中学生ぐらいの時ですかね、えー、少しかぶれた(着迷)っちゃあ(かぶれたと言えば、 のくだけた言い方)かぶれたんですけど ……。 【磯野】ああ、そうですか。 【伊集院】あの、僕のイメージは、えー、新年第1回からっていう感じではない感じの、明るくはない感じ の……。 【磯野】そうですね。この中原中也の作品はⒶ 、
。というわけで、今回の指南役をご紹介しましょう。作家の太 おお 田 た 治 はる 子 こ さんです。宜しくお願いします。 【太田】宜しくお願いいたします。 【ナレーター】作家の太田治子さん。少女時代に中也の詩と出会い、Ⓑ 、
。中也の詩の言葉を題名にした作品も発表しています。
【磯野】太田さんは、作家太 だ 宰 ざい 治 おさむ (小説家。自虐的、反俗的な小説を多く 発表。39歳、玉川上水で入水自殺した)の娘さんなんですよね。 【伊集院】だから、この番組で『斜 しゃ 陽 よう 』(太宰治の小説。戦後の没落 貴族である母と娘を描く)を取り上げさせていただいたんですけれども、その時 いろいろ勉強しまして、ま、モデルと言いますか、主人公と言いますか、その、原案と言いますか、そ の流れを汲 く む(继承血统)……。 【太田】はい。 【磯野】太宰と、この、中也は、交流があったんですか。 【太田】そのようですね。太宰の方が中也さんより二つ年下なんですけども、共通の、あの、お友達もいて、 一緒に飲み屋さん(小酒馆)で顔合わせて、で、中也さんの方がお酒のからみ酒というか(一喝酒就找茬儿生事)、 それで、太宰さんの方は、それをからまれて、おたおた(慌里慌张)、おろおろ(惶惑不安)とするという、そ
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ういう役割で……。 【伊集院】すごくリアルな伝説ですね。嬉しいですね。……なんか、僕、中学校の教科書かなんかに、一つ 二つ載 の ってて、その時感じたのが、もともと学校で教えてくれる詩なんていうのは、元気で健全なもん が多いじゃないですか。みんなで元気出そう、頑張ろう、お日様がきれいでみたいなね。その、緑とそ よ風みたいもんが多い中で、何かちょっと不健康で、ちょっとまたえぐって(刺痛,深挖)きて暗いみたい ところがあるような気がして、それに何かね、どきどき(忐忑不安,紧张)した記憶が、僕、ありますね。 【磯野】そもそも、詩っていうのは、私たち、どんな時に求められるものなんですか。 【太田】今お話に出たように、そういうやっぱり、①辛 つら かったり、あのこうやっぱ、人生そんな甘くないな とか、いろいろと思うことが多いですよね。そういう時って、人はね、本当の言葉を求めるんじゃない かなって思いますね。 【伊集院】例えば長い小説みたいなものよりも、なんか、力がない時に、直接ダイレクト(直接,正面)に、こ う、自分に……。 【太田】そう、その通りですね。もう、心にぱっと(突然,迅速)入ってくる、詩ですよ。詩の言葉ですね。 【磯野】では、さっそく詩人中原中也の代表作を森 もり 山 やま 未 み 来 らい さんの朗読でお聞きください。
【森山】汚れっちまった悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れっちまった悲しみに 今日も風さえ吹きすぎる 汚れっちまった悲しみは たとえば狐の革 かわ 裘 ごろも
汚れっちまった悲しみは 小雪のかかって縮 ちぢ こまる(缩成一团,蜷曲) 汚れっちまった悲しみは 何望むなく願うなく 汚れっちまった悲しみは 倦 け
怠 だい の内に死を夢む 汚れっちまった悲しみに いたいたしくも怖気づき 汚れっちまった悲しみに なすところもなく日は暮れる……
【磯野】ほんとにひたひたと(水刚刚过来的样子)悲しみがね、打ち寄せてくる(滚来,冲来)ような詩ですけれども、 ②これ、何を悲しんでるんですか、中也は。 【太田】それが、はっきり言って、茫 ぼう
漠 ばく (模糊)としてわからない。具体的に、その、悲しみの内容が書かれ てるわけではないですもんね。でも、それだけに、なんか、悲しみというものの、こう、根元的なもの がね、伝わってくるような気がするんですよね。淡々(淡泊)としたこの繰り返し、リフレイン(反复)が 続くことでより深いね、悲しみっていうものが、こう、ひたひたとこの胸の中に沁 し みてくる感じがする んですよね。本当は中也さんには中也さんの個人的な悲しみがあったと思うんですが、しかし何も具体 的には描かれていない。逆に言うと、それはそのままつまり、あの、誰もがね、自分の悲しみを、それ ぞれの悲しみをですね、この詩に重ねられるという、そういう広やかさになっていってると思うんです ね。これが中也の詩のすごさだと思うんですが。 【伊集院】思えば、悲しみって何だかわからないちゃ(何だかわからないと言え ば、のくだけた言い方)何だかわからないようなとこがあって、 これが誰々がどういうタイミングで亡くなったから、えー、こういう風に悲しいって書いてあると、俺 おれ にはそういう人いないからって、別の人のことになっちゃうんだけれど、なんか、全員にとってオーダ ーメイド(定做的货)のものになるみたいな、すごさを持ってる……。 【磯野】そうですね。じゃ、中原中也の基本情報、見て行きましょう。……今から110 年前の明治40 年、山 口県で生まれます。京都にいた16 歳の時に、詩人を 志 こころざ します。これ、 16歳で故 ふる 郷 さと 離れてるんですね。 で、18 歳で上京。そして、27 歳の時に処女詩集『山羊 やぎ の歌』を出版します。昭和 12 年、30 歳の時に、
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病により亡くなります。翌 よく
年 とし 、友人たちによって『在 あ りし日の歌』が出版されます。この出版された二 冊というのがこちらなんですね。『山羊の歌』と『在りし日の歌』。 【伊集院】うわー、たった二冊、しかも生きてる間は一冊なんすね(「なんですね」の くだけた言い方)。 【太田】ほんとに中也さんの詩は生前、あの、一部のお友達を除いては決して広く認められることはなかっ たんですね。それがやっぱり、死後ですね、友人であった小説家の大 おお 岡 おか 昇 しょう 平 へい さんが、あの、戦地から 帰って来て、あの、彼の詩をまとめたことが世の中にね、認められるきっかけになったんです。 【伊集院】そうなんだ。 【太田】そうなんです。それから、③私、やっぱり中也さんを思うと、あの、画家のゴッホ(霍赫)(19 世紀、オ ランダの画家)の人 生と重ね合わせてしまう所があるんですね。それからやっぱり、ゴッホもあれだけね、今はゴッホ、ゴ ッホと、画家の代名詞のようにみんな知ってるけども、生きてる時は一枚しか絵が売れなかったわけで すよね。そういう悲しさとともに、やっぱりゴッホはもう生きることと絵を描 か くことが、もう、同じだ ったんです。生きることがイコール絵を描くことだ。中也さんも、やっぱり生きることと詩を書くこと は全く重なって一緒だったんですね。 【磯野】では、どのように詩人中原中也が誕生したのか、その生 お い立ち(成长史)から見ていきましょう。
【ナレーター】中原中也がこの世に生を受けたのは今から 110 年前の明治 40 年。中原家は代々開業医とい う名家で、中也はⒸ 。 小学校に上がった中也は、成績も優秀で、神 しん 童 どう と呼ばれるほどの子供でした。しかし、中也が8歳の時、 弟が風邪をこじらせて(搞坏,使恶化)亡くなります。弟の死に接し、中也は文学に目覚めていきました。 やがて短歌の同人誌(同人杂志)を作り、文学に傾 けい 倒 とう するようになると、成績はみるみる(眼看着)落ちてゆ きます。Ⓓ 。 ついに中学を落第(不及格,留级)してしまった中也は、京都に転校することになります。一人で故郷を旅 だった中也。その時のことを後年、このように書いています。 【森山】大正12 年春、文学に耽 ふけ りて(耽于,沉溺)落第す。生まれて初めて両親を離れ、飛び立つ思いなり。 【ナレーター】都会に出た中也は、親の重圧からも解放され、詩人への夢を膨 ふく らませてゆきます。その頃、 文学の世界には新しい潮流が巻き起こっていました。ダダイズム(达达主义)。Ⓔ 、
。中也はすっかり夢中になり、自らをダダイスト(达达派艺术家)中也と 名のるほどでした。当時、中也が詩の習作を書きつけたノートが残っています。その中からの一編。
【森山】トタン(镀锌铁)がセンベイ(脆饼)食べて 春の日の夕暮れは穏やかです アンダースロー(低手投球)された灰 はい が蒼 あお ざめて(苍白) 春の日の夕暮れは静かです ああ! 案 か 山 か 子 し (稻草人)はないか あるまい(ないだろ う、の意) 馬 嘶 いなな くか 嘶きもしまい ただただ月の光のヌメラン(光滑)とするままに 従順なのは 春の日の夕暮れか ポトホトと野の中に伽 が 藍 らん (寺院)は紅 あか く 荷 に 馬 ば 車 しゃ (运货马车)の車輪 油を失い 私が歴史的現在にものを云 い えば 嘲 あざけ る嘲る 空と山とが 瓦 かわら が一枚 はぐれました(走散) これから春の日の夕暮れは 無 む 言 ごん ながら 前進します 自らの 静 じょう 脈 みゃく 管 かん の中へです
【ナレーター】新しい表現に触れて、自らを解体(拆卸,拆毁)しようとする中也。詩人中原中也の戦いが始ま っていました。
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