介绍: From NHK for school
「それでは開(かい)廷(てい)します。」
これから始まるのは、ちょっと不思議な裁判。裁(さば)かれる被告人はスズメ。舌を切られた① に、お婆(ばあ)さんを殺そうとした罪に問われている。私は川本ルナ。今回裁判員の一人に選ばれた。私たち裁判員の下(くだ)す判決が、被(ひ)告(こく)人(にん)の人生を大きく...
介绍: From NHK for school
「それでは開(かい)廷(てい)します。」
これから始まるのは、ちょっと不思議な裁判。裁(さば)かれる被告人はスズメ。舌を切られた① に、お婆(ばあ)さんを殺そうとした罪に問われている。私は川本ルナ。今回裁判員の一人に選ばれた。私たち裁判員の下(くだ)す判決が、被(ひ)告(こく)人(にん)の人生を大きく➁ 。責任重大だ。
「検(けん)察(さつ)官(かん)、今回の舌切りスズメ裁判で、スズメはどんな罪を犯(おか)したというのか、述べてください。」
「はい。起(き)訴(そ)状(じょう)を読み上げます。被告人のスズメは、お婆さんとお爺(じい)さんの三人で暮らしていました。ある日スズメは、お婆さんがお米で作った洗(せん)濯(たく)糊(のり)衣服の感触を改善したり、型崩れを防止したりするために使われた薬剤を全部食べてしまいました。お婆さんの➂ スズメは、はさみで舌を切られ、家から追い出されてしまいます。強い恨(うら)みを抱(いだ)いたスズメは、お婆さんの殺(さつ)害(がい)を決意しました。Ⓐ一(ひと)月(つき)後(ご)、スズメは自分を探(さが)し訪(たず)ねてきた爺さんに大きいつづら衣服などを入れる箱形のかごと小さいつづらを差し出し、小さいほうを選ばせ持って帰らせました。スズメが小さいつづらに入れていたのは小(こ)判(ばん)江戸時代の金貨でした。㋐強欲なお婆さんをおびき寄せるためです。スズメの㋑思惑通り、お婆さんは大きい方のつづらももらいに、のこのこと周囲のことなど気にかけずに平気で現れることやってきました。Ⓑ 。スズメが犯した罪は、刑(けい)法(ほう)第199条・第203条の④ に当たります。」
「被告人、今、検察官が読み上げた事実に間違いはありませんか。」
「確かに私はお婆さんにつづらを渡しました。でも、中に入れたのは小判です。」
「弁(べん)護(ご)人(にん)はいかがですか。」
「スズメの言ったとおりです。スズメは無罪です。」
双(そう)方(ほう)の言い分は⑤ か。スズメはつづらの中に何を入れたんだろう。毒蛇や毒虫。それとも小判。
〈証人尋問〉
まず検察官は被害者であるお婆さんを証(しょう)人(にん)に呼んだ。
「お婆さん。あなたはなぜスズメのところに行ったんですか。」
「爺さんがお土産(みやげ)に小判が入ったつづらをもらって来て、もう一つ大きいつづらがあったと言うもんだから、もらいに行ったのさ。」
「大きいつづらの中身も小判だと思ったんですね。」
「あぁ、山道帰る途中、どうにも① できなくなってね、一(ひと)目(め)小判を拝んでやろうここでの「拝む」は、大事なものを拝見する意と思ってつづらの蓋(ふた)を開(あ)けたんだ。」
「そしたら」
「山のような毒蛇や毒虫が飛び出してきて、➁ 襲(おそ)ってきたんだよ。」
「それでどうしたんですか。」
「そこらじゅう転(ころ)げまわって、必死で逃げて……。あっ、裁判員の皆さんも見て。ほら、これ、毒蛇に咬(か)まれた痕(あと)。ほら、ほら。」
うわっ、痛(いた)そう……。
「恐ろしい思いをされたんですね。」
「なんとか家に帰って➂ できたからよかったけど、怖(こわ)かった。ほんとに、死ぬかと思ったよ。はあ。」
「弁護人、反対尋(じん)問(もん)をどうぞ。」
「はい。お婆さん、よくもまあ舌を切ったスズメのところに小判をもらいに行けましたね。噂(うわさ)にたがわぬ違わない強欲ぶりだ。」
「ⓐほっといてくれ。」
「さて、山の中で発見されたつづらの中に、ただ一つこんなものが残されていました。」
「なんだいこれ。」
「これは小判を束(たば)ねる一つにまとめてくくるときに使う紙の帯(おび)です。スズメの指(し)紋(もん)も残っていました。本当はつづらの中には小判が入っていたんじゃないんですか。」
「なぁに、実際こうして咬まれてんだよ。」
「しかしですね、その傷はたった一か所だけなんですよね。山のような毒蛇や毒虫に襲われたというにもかかわらず、傷はたったの一か所。それって不思議ですよね。」
「そりゃ、必死で振(ふ)り払(はら)ったからさ。」
「恐(おそ)らく夜(よ)道(みち)で④ 咬まれたんでしょ。ⓑそれをいいことに、あなたはこの事件をでっちあげた。」
「なんで私がそんなことを。」 事実でないことを、いかにも本当らしく作り上げること
「スズメから治(ち)療(りょう)費(ひ)をⓒふんだくろうと思いついたんじゃないですか。つづらの小判だけじゃ物足りなくて。」
「異(い)議(ぎ)あり。何の⑤ もありません。」
「私はもう、毒蛇や毒虫に襲われて……。」
「強欲なあなたが、考えそうなことですね。以上です。」
小判を束ねる紙の帯、一か所だけの傷かぁ。お婆さんの言うことをどこまで信用していいんだろう。
〈証人尋問〉
続いて弁護人は、お爺さんを証人に呼んだ。
「お爺さん。」
「はい。」
「スズメはあなたにとってどんな存在ですか。」
「うちには子供がおりませんので、① と思っています。毎日、素(す)晴(ば)らしい歌声で心を癒(いや)してくれました。」
「かけがえのない存在なんですね。」
「ⓐそれはもう。言っときますがね、この子は人を殺そうなんてしてませんよ。」
「爺さん。」
「婆さんは黙って。だって私、見ましたもん。」
「何を見たんです。」
「➁ つづらの中身です。」
「何が入っていましたか。」
「小判です。はい。」
来たぁ、➂ 。中身は小判だったんだ。
「お爺さん。大きいつづらの中身を見たとおっしゃいましたが、いつ見たんですか。」
「スズメがお土産にと、おっきなつづらと小さなつづらを差し出した時です。」
「じゃあ、あなたはお土産の蓋をわざわざ開けて、中身を確(かく)認(にん)したということですか。」
「いえいえいえ。おっきい方だけね、蓋が少し開いてたんですよ。」
「つまりあなたは、Ⓐ中身を見たのではなく、中身が見えた……。」
「そういうことになりますねえ。」
なんで蓋が開いてたん。たまたま。
「じゃあ、なぜ大きいつづらを選ばなかったんです。小判が入っているのに。」
「私、腰(こし)が悪いもんですから、あんな重そうなつづら持てません。」
「スズメは、あなたの腰が悪いことを知っていましたか。」
「ええ、知ってますよ。」
「ⓑなるほどねえ。では、スズメはあなたが帰るとき、何か言っていましたか。」
「お婆さんにくれぐれも宜(よろ)しく、と言ってました。」
「それで、あなたはお婆さんになんて伝えたんですか。」
「もう一つ大きなつづらがあって、その中身も小判だって話しました。」
「それを聞いてお婆さんはどうしましたか。」
「目の色変えて目つきを変える。驚きの様子や熱中する様子に言う、スズメんところへすっ飛んで行きました大急ぎで行きました。」
「お爺さん。」
「はい。」
「あなたそれ、完全にスズメに利用されていますよ。お婆さんをおびき寄せるだまして近くに引き寄せるために。」
「はあ。」
「つづらの中身もあなたにチラ見せちょっと見せることした後、毒蛇や毒虫に入(い)れ替(か)えたんでしょうね。」
「ええっ。」
なるほど。すべてはスズメのシナリオ台本、筋書き通りだったってことか。
「こんなものが残されていました。」
もしかして、Ⓑあれもスズメがわざと。
〈被告人質問〉
いよいよ被告人のスズメへの質問だ。まずは弁護人から。
「あなたはお婆さんが来ることを知っていましたか。」
「知るわけありません。いきなりやってきて、大きいつづらを寄こせというので渡しました。中身は小判ですよ。入れ替えてなんかいません。」
「あなたはお婆さんに舌を切られました。小判を渡すことに㋐抵抗はなかったんでしょうか。」
「とにかく怖かったんです。 Ⓐ 。それにお婆さんに小判を渡せば、少しでもお爺さんの役に立つと思ったんです。」
「あなたにとってお爺さんはどんな存在ですか。」
「① です。山で羽(は)根(ね)を傷(いた)めて動けなくなっていた私を懸(けん)命(めい)に全力を尽くして㋑看病してくれました。」
「では、あなたはそんなかけがえのないお爺さんを利用したんでしょうか。」
「とんでもありません。もし私がつづらに毒蛇や毒虫を入れてお婆さんがそれを家で開けてしまったら、大好きなお爺さんも危険な目に遭(あ)ってしまいます。そんなことだけは絶対にしません。」
確かに。お婆さんがつづらを開けるタイミングある物事をするのに最も良い時機までわかんないもんなあ。
「検察官。質問をどうぞ。」
「はい。これを見ていただけますか。このポスターに写ってるのはあなたですね。」
「はい。」
「裁判員の皆さん。スズメは演(えん)歌(か)日本調の流行歌の一つ歌手としてデビュー舞台などの場に、新人が初めて登場することが決まっていました。百年に一人の➁ と言われるほど期待されていたそうです。それでデビューの話はどうなりましたか。」
「白(はく)紙(し)に戻(もど)りました。」
「Ⓑそれはお婆さんに舌を切られた後(こう)遺(い)症(しょう)で、歌がうまく歌えなくなったからですね。夢破れ、人生をめちゃめちゃにされたあなたは、お婆さんに強い恨みを抱いた。殺したいほどに。」
「勝手なことを言わないで。」
「以上です。」
殺害の動機は十(じゅう)分(ぶん)か。でもスズメはⒸ大好きなお爺さんを巻(ま)き添(ぞ)えになんかしないと言っている。うーん、どっちを信用すればいいんだろう。
〈最終弁論〉
「裁判員の皆さん。舌を切られ、人生を➂ にされたスズメの殺(さつ)意(い)人を殺そうとする意志は明白です。スズメはお爺さんを利用し、④ にお婆さんをおびき寄せ毒蛇や毒虫の入ったつづらを渡しました。これは計画的で悪(あく)質(しつ)⑤ 犯行です。スズメは有罪です。」
「裁判員の皆さん。お婆さんは山のような毒蛇や毒虫に襲われたと言っていましたが、その傷は一か所だけです。この証言は信用できません。そしてつづらの中から小判を束ねる帯が発見されたことからも、その中身が小判であったことは疑いようがありません。スズメは無罪です。」
「これですべての審(しん)理(り)が終わりました。これから裁判員の皆さんと判決を話し合います。」
スズメはお婆さんを殺そうとしたんだろうか。それとも無罪なんだろうか。どっちなんだろう。
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