介绍： sm23680870

片喰(かたばみ)ひらいて
陽(ひ)が舞(ま)って落(お)ちた
嘘(うそ)ついた桜(さくら)は月(つき)夜(よ)に導(みちび)き

雪(ゆき)だった視界(しかい)も
花(はな)咲(さ)いて消(き)えた
風(かぜ)吹(ふ)いて水面(みなも)を
揺(ゆ)らして嘲(あざけ)る

くらくら
髪(かみ)惑(まど)わせて
今(いま)だけ
薄氷(うすらい)のように

ふ...

介绍： sm23680870

片喰(かたばみ)ひらいて
陽(ひ)が舞(ま)って落(お)ちた
嘘(うそ)ついた桜(さくら)は月(つき)夜(よ)に導(みちび)き

雪(ゆき)だった視界(しかい)も
花(はな)咲(さ)いて消(き)えた
風(かぜ)吹(ふ)いて水面(みなも)を
揺(ゆ)らして嘲(あざけ)る

くらくら
髪(かみ)惑(まど)わせて
今(いま)だけ
薄氷(うすらい)のように

ふらふら
足(あし)儚(はかな)げに
霰(あられ)忍(しの)んでや
春(はる)は水端(みずはな)

悲(かな)しき情(じょう)に遊(あそ)ばれて
霞(かすみ)に酔(よ)いしれ
気付(きつ)けば如月(きさらぎ)
何時(いつ)だって春(はる)は矢(や)の如(ごと)し
瞳(ひとみ)離(はな)さないでしかと見(み)据(す)えて

高麗笛(こまふえ)の音(ね)に
気(き)を奪(うば)われ
言(こと)の葉(は)に乗(の)せ
花時(かし)を誘(いざな)う

飛(と)び立(た)った鵯(ひよどり)
「あばよ」と鳴(な)いた
悴(かじか)んだ掌(てのひら)隠(かく)して綻(ほころ)ぶ

からから
下駄(げた)響(ひび)かせて
君(きみ)だけ
陽炎(かげろう)のように

はらはら
節(ふし)危(あぶ)なげに
雲(くも)を嫌(きら)ってや
冬(ふゆ)は闌(たけなわ)

霧(きり)立(た)った空(そら)に狂(くる)わされ
ものの芽(め)探(さか)して
次(つぎ)の暦(こよみ)へ

ほら待(ま)った春(はる)は春(はる)疾風(はやて)
捕(とら)えられないで
静(しず)かに笑(わら)う

暗(くら)がりの中(なか) 光(ひか)る扉(とびら)
影(かけ)に隠(かく)れて 色(いろ)褪(あ)せたまま
いつまでも覚(さ)めぬ 夢(ゆめ)の様(よう)
冬(ふゆ)に苛(さいな)まれる

束(つか)の間(ま)にまた春(はる)の宵(よい)
艶(あで)やか落(お)ち花(はな)風(かぜ)に流(なが)れて
巡(めぐ)りて今夜(きょう)も燕(つばくらめ)
一時(いっとき)も逃(のが)さず遥(はる)か見(み)つめて