おおかみこどもの雨と雪

知识 日语有声小说 第103期 2020-06-20 创建 播放:3518

介绍: 著作 細田守
ナレーター 宮﨑あおい

春。
スーパー農道、と呼ばれる立派に舗装された道路から脇道へ入り、杉林の暗がりを通り抜けると、見事に折り重ねられた棚田の連なりが視界に飛び込んで来る。山から注ぎ込む雪解け水が、用水路に弾けている。
花はその風景を、役場の白い車助手席で、見るとはなしに見ている。
東京か...

介绍: 著作 細田守
ナレーター 宮﨑あおい

春。
スーパー農道、と呼ばれる立派に舗装された道路から脇道へ入り、杉林の暗がりを通り抜けると、見事に折り重ねられた棚田の連なりが視界に飛び込んで来る。山から注ぎ込む雪解け水が、用水路に弾けている。
花はその風景を、役場の白い車助手席で、見るとはなしに見ている。
東京から遠く離れた、田舎の風景だ。
役場の若い職員・黒田は道幅が狭まっても速度を落とすことなく、器用にハンドルを操り、先ほどからずっと喋り通している。
「町役場で空き家の紹介始めてから、田舎暮らししたいって人がぼちぼちやってくるんだけど----、続かないんだな。だって見ての通り、何にもないんだもの。小学校も病院も車で30分。中学に上がればバスと電車で片道2時間半。往復5時間だよ。いくら環境いいところで子供を育てたいって言ったって-----おっと」
突然舗装道が途絶え、車大きくバウンドした。
「----街の方が便利だと思うけどねー」
後部座席の雨と雪は、長旅の疲れてぐっすり眠りこけている。林道の凸凹 ❲でこぼこ❳ 道の激し振動でも、目を覚まさない。
車窓から木々越しに遠くの雪山が見えた。
花は手帳に挟んだ写真と見比べた。
いつか彼が話して聞かせてくれた、故郷の山だった。

道の脇に車を停め、革靴からゴム長に履き替えた黒田が、眼鏡のブリッジをずり上げながらずかずかと坂道を登っていく。そのあとを花も、眠る子供たちを抱いて歩み行く。
新緑の広葉樹にうずまるように、その家はあった。
「・・・・・・大きい・・・・・・・!」
築百年のおんぼろ古民家、と黒田は言う。だが想像よりずっと立派な建物だった。太い柱に支えられた瓦葺〔かわらぶ〕きの一枚屋根が、午前の光にどっしりとした陰影を落としている。かつての地が林業で栄えたころを偲 ❲しの❳ ばせる屋敷だった。花たち三人はおろか、三世代の大家族でも暮らせそうなほどの大きさだ。
しかしよく見ると、薄汚れたガラス戸は割れて、ガムテープで乱暴に補修されている。土壁はところどころ崩れ、下地の竹が露出している(クマゲラが穴を開けるのだと黒田は言う)。人が住まなくなってから何年も放置されていた違いなかった。母屋の向かい側には扉の外れた納屋があり、山道へ続く斜面にあるもうひとつの小屋は、雪の重みのせいか、今も倒れそうに傾いている。
「そりや、家賃ったってタダみたいなもんだどさ、修繕費、バカならないよー。空き家っていうより、ほとんど廃屋だものこれ。-----あ、土足でいいですよ」

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